PLCの屋外での使用始まる!!

 2013年2月8日付けのJARLのWEBからの情報では、総務省がPLCの屋外での使用を許可するための意見募集をやってます。
 http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/News2013/2013_news-2.htm#0208
 6年ほど前にPLCの屋内での使用が日本でも許可されました。
 PLCというのは電力線、要するに100VのACラインに、短波帯の電波を重畳させて、それで高速のインターネット通信をしようというものです。
 日本国内での解禁に向けて、各電機メーカーがPLCモデムを製作して、それらをもとに屋内PLCの許可に向けての審議が始まったのが、7,8年前です。
 そのころにはまだ光ファイバー網があまり整備されていなくて、既設の電力線つまり電柱から電柱へ日本中張り巡らされている電線を使えば、新たな投資を最小限にして、高速のインターネットが可能になると宣伝されました。
 しかし、幸か不幸か屋内PLCが許可された頃から、光ケーブルがかなりの普及率となり、さらにはWiFi?ルーターの劇的な普及もあって、屋内PLCはあまり使われてはいません。
 それでも、屋内PLCが許可されてから、HF帯のパルス状のノイズは激増しています。
 そして、今度は屋外PLCです。
 行政の基本は「継続」です。このこと自体は安定した社会生活のためには、必須の条件でもあります。政権が交代しても、日常生活が以前と同様に行えるのは、行政システムが、変化には即応しないからです。
 一方で、一旦行政(とそれにくっついている利権団体=PLCの場合には御用学者とPLCの製造メーカー)が結論を決めて審議会などを立ち上げた物に関しては、相当の年月を経てもそれを実現しようとします。
 あたかも、「行政」という生き物、それも相当に長寿命の生き物が存在するかのようです。
 今回の屋外PLCに関しても、審議会はそれを許可するためにはどういうことをしたらいいのか、ということばかりを審議していたようです。
 まったく弱体化したとはいってもJARLは日本のアマチュア無線を代表する唯一の機関です。今回の屋外PLCの審議会にも参加して、それなりに反対意見の表明もしてくれていたのですが、多勢に無勢かつ「結論ありき」の審議会では屋外PLCを阻止することは出来なかったようです。
 私たちアマチュア無線家にできることは、たとえ「ごまめの歯ぎしり」であっても、反対意見を表明することだと思われます。(Feb 8 2013)

スマートメーターが全戸に!!

 電力会社も、PLCの機器を作っている企業も、はたまたそれらにくっついている役人も、非常にしぶといですね。今年になって、ばたばたとスマートメーターの全家庭への設置を、電力会社が発表しました。
 PLCで電気使用料を電力会社へ送ろうという仕組みです。使われるのはまさしくPLCそのものです。
 屋内PLCの機器は全然売れなかったので、不良在庫として残っているはずです。電機機器メーカーもPLC機器の開発費用の回収が出来てないに違いありません。電力会社にとっては、人間が目視で毎月検針しているその人件費が浮くわけです。
 わりを食うのは、われわれアマチュア無線家です。サイクル24も下り坂に入っていて、この先、HFの通信がどれほどの影響をうけるのか、非常に心配です。(2014年4月3日)

太陽光発電のノイズが増えた!

 2011年の大震災以降、わが方の近隣の家や小規模なマンションでも、屋根や屋上に、太陽光発電装置を設置するのが増えました。 
 太陽電池自身はノイズを発生させることはないのですが、発生させた電力=DCを昇圧したりACに変換する装置=要するに高周波スイッチング電源の親分のような装置からは、相当なノイズがHF帯にばらまかれています。
 14MHzから28MHzに掛けて、10kHzから20kHz間隔で鋭いパルスが並ぶことが多くなりました。
 ノイズブランカやIFの帯域を狭めて、今のところは何とか普通のQSOは出来る状態ですが、これ以上増えるとHFでの運用に大きな障害になるのは間違いありません。
 唯一の救い(?)は、政府の政策の変更(たぶん、もとからそういう考えだったと推測していますが)で、電力会社の買い上げ価格が下がり、一時ほどには太陽光発電が広がらなくなったことです。(2014年12月30日)

新たなノイズ源の出現か(ワイヤレス給電)!!

 ワイヤレス給電が始まろうとしています。以前にもコードを挿さないで充電できる仕掛けは、電動歯ブラシなどにはありましたが、それの超拡大版が始まろうとしています。
 もっとも大電力となると考えられているのは、電気自動車やハイブリッドカーへの充電です。
 いろんな方法があるようですが、どれにしてもHF帯に新たなかつ非常に強力なノイズがばらまかれるのは必須のようです。
 サイクル24がぱっとしないままに下降期を迎えていることと併せて考えると、これからの7、8年はHFでの交信が非常に難しくなるかも知れません。
 HF帯はアマチュア業務だけではなく、少なくなったとはいうものの、放送にも使われ、また洋上の航空機との連絡にも欠かせない手段です。何とかならないものでしょうか。
 時々VHFのエアーバンドをモニタするのですが、10年ほど前には考えられなかったほどに、ノイズが増えているのに気付きます。かつてVHFでのノイズは車やバイクのイグニッションノイズがほとんどで、発生源が通過すればもとに戻りましたが、昨今のノイズは長時間出ているのです。音の感じがHF帯の物とは異なっているのですが、これもまたアマチュア業務にとっての敵であるのは間違いありません。
(2014年12月30日)

電力自由化でスマートメーターの導入が加速される!

 わが方にも関西電力から電気代が安くなるキャンペーンの申し込み用紙がきました。電気代が安くなるのはいいのですが、必須の条件として、スマートメーターの導入があります。
 要するに、従前の従量メーターの検針に掛かる人件費を削減して、その分のいくらかで電気代を安くする、という仕組みです。
 問題は、スマートメーターにあります。920MHzの小電力無線と、PLCの併用です。マンションのように引き込み口が各戸のメーターボックス内にある場合は、PLCが中心になるのは間違いありません。
 2016年の4月からはHFのノイズレベルが今以上に激しいものになるのは間違いありません。困ったものです。(2016年2月24日)

ついにスマートメーターになった!

 電気会社の都合で勝手に取り換えられたのなら、大問題ですが、そうではありません。
 今契約しているISPは関西電力系統のところです。そこが電気の販売を始めるという案内が、今年の初めに来ました。ついでに4月からは関電が販売するガス=関電ガス=もISP経由の契約にすると安くなる、というキャンペーンもやっているのです。
 検針に掛かる費用の削減と、電気やガスの使用量の30分毎の把握、さらにはISPとの契約の安定さ=要するにISPを乗り換える場合には、電気やガスの契約を再度一から行う必要がある、ということでの「割引」です。
 もちろんスマートメーターにすることで、わが方のノイズ環境はさらに悪化するのは分かっているのですが、家計の固定費=光熱費を少しでも下げるには仕方がないと、契約しました。
 今のところ、スマートメーター稼働前後でノイズに目立った変化はありません。というか、すでにノイズはかなりのレベルまで上がっていて、わが方のスマートメーター一台で変化が生じる程度ではない、ということでしょう。
 ちなみにVHFのエアーバンドを聴いていると、数年前に比べると、ものすごくノイズが増えたと感じます。
 アマチュア無線バンドのノイズも大問題ですが、機上で地上からの無線がノイズで聞こえにくくなるという事態にでもなれば、すぐに大事故につながるわけです。(2017年02月27日)


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Last-modified: 2017-09-10 (日) 09:45:29 (2413d)