V/UHF--近畿地方での実態 †
144MHzや430MHzはもう無法地帯の様相です。正規の局が小さくなって運用しているというのが現実です。
特にひどいのは144MHzの全域と430MHzの衛星通信バンドとレピーターのアップリンク用の周波数です。
2013年1月にはAPRSの周波数(9600ボー用の144.64MHz)で、長時間に渡って無変調(バックに若干のテレビの音が聞こえるので、マイクは繋がっているとようです)の波を流すという行為が発生しています。
かつて=パーソナル無線機が出るまでは違法無線と言えば27MHzのCBでした。輸出用のCB機を車=その多くはトラックでした=に積んで、電波を出しているのが多数いました。
パーソナル無線で一旦は収まるかに見えたのですが、そのパーソナル無線も違法ROM=郡番号ではなくてチャンネルを固定できるようにしたROM=が出回って無法地帯になりました。
しかしパーソナル無線(903MHz)がすたれたのは、機械の値段の割には飛ばなかったからだと思います。
144MHzと430MHzは良く飛びます。特にモービル運用には持って来いです。アンテナの揺れによるフェージングも少ないし、建物の向こうにもそこそこ電波は回り込んでくれるのです。
何よりも144MHzや430MHzの無線機は安いのです。
総通が警察と一緒になって取り締まりをしているということで、たしかにJARLのWEBを見ても毎月の各総通の取り締まりが載ってはいます。しかし、一向に違法運用は減りません。
コールサインを言わないかつ車で移動ということで、取り締まりの網をかいくぐっているのが実態だと思います。抜本的な解決策は無線機の購入時に無線従事者免許証の提示を求めることだと思いますが、それが実現するような気配はまったくありません。
50MHzの上=53MHz~54MHzでの違法運用 †
ここは全電波形式(実験、研究用)となっています。普通の(?)違法局=トラックなどの交信も聞こえますが、有線電話とリンクしたものや、デジタル波の違法運用と思われるものなど、いろんな電波が入感します。
広帯域デジタル、衛星通信、実験用の周波数などでは、普通の交信=もちろん正規の局の音声での交信はあまり聞くことができません。そういう「空いている」ところに違法局が跋扈しているのだと思われます。違法局・違法運用を減らすためには、正規の局がどんどんQRVすることだと思います。 †
DXを追いかけるパイルアップで †
これはV/Uの違法局とは質が違います。DXとの交信を意図的に妨害する正規の免許を受けた局の行為です。このごろ増えているのは、レアなDXの局の送信周波数と全く同じ周波数で長時間CQを出したり短点をたたいたりする行為です。
SSBの場合は数局の電波が重なっても了解は出来ますが、CWの場合には不可能になります。
妨害する局の電波の状態を見て(聞いて)いると、そのレアなDXと交信できた後で、他の局が交信するのを妨害しているようなのです、いやはやもう心がさもしいとしか言いようのない行為です。
2013年3月上旬にクリッパートン島からTX5Kという局が大規模なペディションを行いました。太平洋上の絶海の孤島であり、前回のペディションから5年も経っているということで、全世界的なパイルアップが起こりました。
JAからも大きなパイルが連日生じていたのですが、今までなかったような妨害に気付きました。CWでの運用です。
TX5Kがスプリットで運用していて、A局に応答したとします。もちろんA局はそれに対して「QSL UR 599」というようなことを打ち返すのですが、そのA局の送信周波数とタイミングにぴったり合わせて短点を連続送信する違法局が出てきたのです。当然TX5KはA局のコールを再度、再々度打ったりもするのです。
これは不特定な局に対しての妨害ではなくて、明らかにA局を狙っての非常に悪質な嫌がらせです。それも相当に強力な電波で行っているのです。呆れるというか何というか、JAのDXを追いかける人間にもどうしようもない輩が出てきたと、心が寒くなりました。
2013年3月下旬にイースター島から久々のQRVがありました。各バンドでかなりのパイルになったのですが、80mbで新手の妨害が出てきて驚きました。
DX局(XR0YG)の送信周波数で、さもスプリットであることを認識しないで間違ったかのように、「他人の」コールで何度も送信するというのが出てきたののです。ご丁寧にDXで有名な局のコールサインを次から次に打っていました。いやぁ呆れました。
さらには、誰もオンフレで送信していないにもかかわらず「UP UP UP」と連打する「ポリス」も出現しています。信号強度から考えて、JA国内からの送信であるのは間違いありません。
DX局が何度もコールバックしているにもかかわらず、応答しない局も増えてきています。まぁ本当に困ったものです。
HFのハムバンド内の違法局 †
これは圧倒的に28MHzのCBです。ごくたまに日本語での交信も聞こえますが、アジアの近隣諸国(中国、台湾、韓国、フィリピンなど)の言葉が聞こえてきます。Eスポが発生しているときなどには、CWの周波数帯のかなりがこういう交信で埋め尽くされたりもします。
27MHzの違法CBが28や29に移動して運用するというのが増えています。28035から5kHzおきに、朝などはずらっと並んでいます。過変調のAMで帯域は10kHzもあります。CWの運用時に帯域を200Hzほどにして運用しているとなかなかその存在に気付かなかったのですが、いやはやひどいものです。(2014/3月 追記)
周波数をスイープしていく違法局 †
これが違法局なのか、はたまた軍用の局(であっても本来はアマチュアバンド内、特に一時基礎で配分されているバンドでの運用はRRや電波法違反のはずですが……)なのかは不明ですが、数年前から14MHzや18MHzで上から下へ向かって一定の速度で動いていく電波があります。
耳で聞いているだけではその存在に気付くことはなくて、ノイズかなという程度なのですが、バンドスコープでははっきりそ分かります。
資格外のバンドや出力で運用する局 †
オーバーパワーは全世界的に存在している問題です。正直に告白すると、小生も開局から2年ほどの間には、電話級の10Wを超える出力を出していたことがありました。すみません。もちろん、1979年の再開局後は、オーバーパワーは一切ありません。
資格外の出力でDXCCが増えてもおもしろいはずはないのですが、オーバーパワーがなくならないのは、摘発するのが非常に難しいからでしょう。
いっぽう、資格外のバンドや電波形式、具体的には4級や3級で10MHzや14MHzに出るとか、あるいは4級でCWをするとか、という違反もかつてからあったようです。
こういうことの防止に、資格別のコールサインの付与も一時考えられたようですが、ネットの発達で総務省の無線情報検索を使えば、違反はすぐに分かる時代になりました。
DXペディションがあると、オンラインログで交信が判明するのですが、10MHzや14MHzが免許されていない局が堂々とヒットするのを見ると、順法精神云々以前に、その局の免許人の神経はいったいどうなっているのかと考え込んでしまいます。
(2015年1月27日)