開始 

 1979年に、電信級の資格を取って以来、衛星通信をやってみたいと考えていました。そのころはたしかAO-7号の最盛期であったように思います。とにかく受信だけでも何とかやってみたいと考えて、その頃住んでいた2階建ての軽量鉄骨作りのアパートの通路端に、29MHzのGPもどきを上げました。
 うまく受信できたかどうかの記憶も、もう闇の向こうです。
 その後公団住宅に転居。選んだ部屋はもちろん最上階の5階端。公団は今はUR何とかっていう組織に変わってますが、その支社と屋上にアンテナを上げる交渉をしたのですが、あえなく却下。仕方なく、5階のベランダから、GPを2本突き出して衛星通信にチャンレンジし始めたのは、1980年頃でした。
 AO-7でもAO-8でも何とか交信できました。
 当時盛り上がっていた話題は、長楕円軌道の衛星が上がる、ということでした。AO-10が南米ギニアから打ち上げられるのを現地の局が14MHzで送ってくるのを、日本のキー局JA1ANG米田さんがさらに日本国内の局に向けて日本語で送信されるのを聞いたことがありました。しかしこの衛星は上がらず、失敗。

 次のAO-10で初めて長楕円軌道の衛星での衛星通信を経験しました。

 AO-7やAO-8ではせいぜい地上から1000km程度の高さを飛んでいるので、それで中継されて戻ってくる信号をモニターに、パドルの操作でモールス信号を打つことができたのですが、AO-13ではキー操作をしてから信号が戻ってくるまでの時間がかなり(といっても小数点1位の秒)あるので、キーイングのモニタは手元でするしかなかったのも、懐かしい思い出です。
 ベランダからは145MHzの10エレ八木と、435MHzの15エレ八木が突き出ていました。

転居

 その後数年して今のマンションに転居。
 ここでは幸いなことに屋上にロングワイヤーのアンテナを設置することが認められました。非常に運が良かったのだと思います。しかし、アンテナはこれだけ。HFは160mbから10mbまですべて出られるのですが、V/Uはだめでした。
 そうこうしているうちになぜかVoIP無線を始め、さらには430と1200のレピータまで設置することになりました。V/Uのアンテナが3本上がりました。

再開

 ある日、CQ誌の記事を見て、GPでも受信できそうな気がして挑戦したら、意外にもダウンリンクが聞こえたのです。その頃使っていたのはIC-820でした。
 しかし、衛星の到来に合わせてアンテナの付け替えをするのが面倒になって、数ヶ月で止めてしまいました。

再々開

 その後かなりのブランクがあったのですが、今年(2010年)8月号のCQ誌の別冊付録に刺激されて、衛星通信を再開しました。アンテナも145MHzと435MHzの八木が組み合わされた物を購入。
 今はほとんどすべてが低軌道の衛星です。FMリピータ型の衛星もあってチャレンジしていますが、これはまさしく弱肉強食で、20W+6エレではアクセスできません。もっぱらVO-52、FO-29のCWです。
 昔は、紙と鉛筆と電卓で、次に衛星がやって来る時間のを計算しました。その後、パーソナルコンピュータが出てきて、その上で走らせるBASICの軌道計算ソフトをJAMSATが頒布していました。
 それをもとに当時持っていた日立のベーシックマスター2というマイナーな機種のBASICに移植。さらにはシャープのポケコンにも移植しました。
 そうやって何とか通信をしていたころは、まさに日本のアマチュア衛星通信の牧歌的な時期でした。
 しかし、牧歌的であったのは、衛星を追いかけているほうで、地上局というよりも、その頃すでに3エリアでは増えてきていた、アマチュアバンドを使う違法局のFM波との闘いが、最大の課題でした。これは今も全く同じです。

はまる

 この夏(2010年)は、衛星通信にはまった。
 まずは流行り(?)のFMリピータ型衛星も、手持ちのFMモービル機が50W出力であったことを思い出して、それでアクセスしてみたら、今飛んで来ている衛星はすべてアクセスでき、交信もできた。
 気を良くして、IC-910には1200MHzのモジュールも入っていたことも思い出し、AO-51のL/Uモードもだめもとでやってみようと言うことになった。問題はアンテナである。
 雑誌やWEBの情報で、1200MHzになると八木もループも簡単に作れそうな感じであったが、美観(マンションのベランダから突き出すので)も考慮して、市販品を探した。10k円ほどで7エレヘンテナを売っているところを見つけて注文。
 既設の145/435のアンテナの上にくっつけてみた。
 AO-51のスケジュールは1ヶ月単位で変更され、L/Uモードになるのは月に1度程度である。
 やってみると意外にうまく動いた。
 さらに調子に乗って、これまた手持ち(どういう経緯で入手したのかも忘れているのだが……)の2401MHz→143MHzのドレークのコンバータに2400MHzの9エレループ(これも市販品。無線LANの普及で1200MHzよりも2400MHzのほうがアンテナの市販品は多い。)を付けて、V/Sモードにもチャレンジ。
 これまた簡単に交信ができた。
 問題は、衛星通信サブバンドでの地上間の交信=すべてが違法運用か無免許=であることを痛感した。


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Last-modified: 2017-09-10 (日) 08:13:31 (2426d)